せきぐちの議会報告


2005年4月 三田市議会定例議会報告
3月の定例議会での私の質問に対する主な回答は以下の通りです。
1. 三田市の小中学校における教科書の採択、及び、教材・プリント類の採用について
2. 教育特区に対する三田市の方針・取り組みについて
3. 三田市における小学生の運動能力の現状と向上について
4. ゆとり教育の評価と見直しに対する三田市の考え方について
5. 小中学校における警備員の配置について
6. 再質問・再々質問

 1. 三田市の小中学校における教科書の採択、及び、教材・プリント類の採用について

 質問:せきぐち正人

  ・教科書の採択は、三年に一度、教育委員会の委譲を受けた調査委員会が答申を行い、教育委員会が決定するという仕組みになっている。この過程で、調査委員はどのような方法で任命され、教科書の評価項目、評価基準、評価結果はどのようになっているのか。
・補助的教材・プリント類の採用や評価・選定はどのような仕組みで行われているのか。算数・国語という基本的な科目を教える上において、生徒のつまずきやすい箇所があると思う。このつまずきやすい箇所を十分に認識して、考え方、教材・プリントの利用方法の工夫や改善なだがなされているのか。ご説明をお願いしたい。

 答弁:教育指導部長

  ・各教科の調査委員会では、「地域性」や「基礎基本の定着」などの評価項目により、40日以上もの調査期間を通して、綿密な調査を実施し、調査研究報告書を作成した。それを基に採択協議会で適切な協議を行い、教育委員会へ答申した。採択権者である教育委員会では、1点1点の教科書を手に取りながら検討の上、採択している。
・教材として使う準教科書・副教材については、教育課題に準拠し、内容が正確公正であることが必要。更に各校の児童生徒にあったもので、発展段階に応じた内容、量のものを選定している。その上で教育委員会に届けることになっているが、内容、量とも適切であり、価格の面から見ても保護者の負担を考え適切と考えている。

 2. 教育特区に対する三田市の方針・取り組みについて

 質問:せきぐち正人

  ・小中学校における一貫教育特区など、全国で教育特区に関するさまざまな取り組みが行われている。
・他の自治体の特区の取り組みについては、参考になる点も多いと思うが、以前、特区全般について私が質問を行った際には、市としても特区の中で導入できるものがあるかどうか、検討していきたいという回答があった。教育関連特区について、市としては、これまでどのような検討が行われてきたのか。また、今後の方針はどうか。

 答弁:教育総務部長

  ・教育委員会としては、二学期制の導入に関して検討したが、夏季の教育環境の保全方法や児童生徒の評価のあり方など課題が多いことから、特区の申請には至らなかった。
・今後の方針だが、議員のご指摘通り、多くの市において教育特区を活用し、多くの事業に取り組まれている。しかし実施段階で問題も多く指摘されていることから、今後他市の状況なども十分に見極めながら、当市の学校教育発展のため、有効な活用方法を検討していきたい。
 3. 三田市における小学生の運動能力の現状と向上について

 質問:せきぐち正人

  ・運動能力を向上させ、それを通して体力をつけるということは、非常に重要なことだと思う。昨年、民放のニュースで放送されたが、千葉県のある小学校で、「コンビネーショントレーニング」というものが体育の授業に取り入れられており、この小学校の児童全般の運動能力が全国平均と比較して、飛躍的に向上したという内容だった。
・三田市の小学生の運動の雨量は、統計的に全国や県平均と比べてどのような位置にあるのか。また、小学生の運動能力向上に関して、特に体育の授業でどのような工夫が行われ、取り組みがなされているのか。 ご説明をお願いしたい。

 答弁:教育指導部長

  ・県教育委員会によって、「児童生徒体力・運動能力調査」が毎年実施され、市内での抽出校が実施している。その報告によると県下の状況については、小学校は全国平均値を上回る項目が少なく、同程度もしくは下回る項目が多い。中学校、高等学校など学校への学年が上がるにつれて上回る項目が増えるという結果が出ている。
・小学校の体育の授業において、運動量の保障や全運動領域に渡ってバランスよく指導することに留意している。今後も「たくましい心と体の育成」を重点目標の一つとして、家庭・地域とも連携し、児童の「運動能力向上」を進めていきたい。
 4. ゆとり教育の評価と見直しに対する三田市の考え方について

 質問:せきぐち正人

  ・国のレベルでは、文部科学大臣が中央教育審議会で「ゆとり教育」を掲げた現行の学習指導要領の全面的見直しを要請し、審議会では新しい基本方策をこの秋までにまとめるとしている。
・知識の量や水準を抑えて、学習意欲や関心を重視する「新しい学力観」に基づいた取り組みは、学力の水準だけでなく、子供たちの学習意欲も低下させているのではないかという批判があり、また、昨年行われた国際調査における日本の顕著な学力低下が「ゆとり教育」と関わっているのではないかということも見直しの背景にあると思う。
・国で「ゆとり教育」の見直しが進められている中、三田市としては、どのように考えているのか。また、国・県の動向を受身的にとらえるのではなくて、市としての現時点での見解をお聞きしたい。

 答弁:教育指導部長

  ・現行学習指導要領は、社会の変化を踏まえ、「ゆとり」の中で生きる力を育むことを基本的な狙いとしてきた。市としても基礎的・基本的な内容の確実な定着を図ることとあわせて両輪として進めてきた。
・「総合的な学習の時間」に地域の方を招いたり、多様な学習方法も取り入れながら、例えば、「母子茶」を出発点として学習をし、三田を愛する心を育んだり、環境学習に取り組むなど生きる力を育んでいると評価している。
・学習指導要領の見直しについては、国の審議を待つことになるが、審議会においても現行指導要領の理念や目標に誤りがないことは明言され、文部科学省においても「ゆとり」は「ゆるみ」ではないと言及されている。今後とも教科、総合的な学習の時間や道徳、生徒指導などの充実を通し子供達に確かで豊かな学寮を育む所存である。
 5. 小中学校における警備員の配置について

 質問:せきぐち正人

  ・寝屋川市の小学校での教職員殺傷事件を受け、大阪府は公立小学校733校に4月から警備員を配置することを定めたとの報道があった。文部科学省の危機管理マニュアルにほぼ沿って教諭が対応しても被害が出たことで、「プロの助けが必要」と判断したものと思われる。
・兵庫県、三田市においては、小中学校における警備員の配置について、どのような検討がなされているのか。当然負担増にはなるが、地域、先生方の対応を含め、危機対応、安全確保の問題に対する三田市の考えを伺いたい。

 答弁:教育総務部長

  ・学校施設にフェンスなどの設置を行い、抑止力向上に努めるとともに、非常時に有効活用可能な「刺股」や「消火器」、警察ホットラインの整備、安全対策に関する備品整備など、自走・生徒の安全性の確保に努めてきた。
・少数の警備員を配置しても効果はあまり期待できず、現在実施している防犯パトロール強化や地域の協力体制の下、学校施設を暖かく見守っていただくことで効果が得られると確信している。学校、地域、PTA、保護者などの連携の中で取り組みを一体的に進め、学校の安全対策を講じていく。
 6.再質問・再々質問

 質問:せきぐち正人

  ・率直な意見を言うと、教育に関する取り組みについて、三田市としての独自性があまり感じられない。
・国や県などのいろいろな制約があると思うが、三田市として、特色と独自性のある取り組みを考えていただきたい。市としての裁量が今後大きくなっていき、よりメリハリのある取り組みが十分可能になることが考えられる。その意味で、三田市として、教育に関する特色ある、独自性のある取り組みについて、どのような見解を持っているのか、再度ご説明をお願いしたい。(再質問)
・力強い言葉をいただいた。私たち小中学生の子供を持つ世代は、三田の教育に大変期待している。21世紀の三田は教育がひとつのキーワードになる。より一層教育に力を入れていただくことをお願いしたい。(再々質問)

 答弁:教育長

  ・三田の独自の取り組みだが、必ずしも特別なことを取り入れるという意味ではないと考えている。電子メール、PC・テレビゲームの普及などで言葉や考え方が浅薄になっている中で、人間教育があらためて重要になっている。そのもとになるのが国語教育と道徳教育と確信している。
・国語教育はすべての教科につながる。読む・書く・話す・聞くを確立することが重要であり、17年度は交互教育、道徳教育、さらには、三田の豊かな自然や田園文化都市を活かした生きる力の教育の3本柱の教育を充実させていきたい。教育はすぐに日の目を見ることはできない。道のりは遠いが努力を重ねていく。教育にとって大切なことをきっちりすることが、三田の独自性につながるということをお伝えしたい。

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