1.「地域消滅」という課題に対する三田市の認識と対応について |
質問:せきぐち正人
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- 地域消滅という言葉は日本創生会議が2014年5月に行った提言に基づいており、中公新書でも出版された。20〜39歳の女性が2040年に半数以下に減る市区町村「消滅可能性都市」を人口動態の基準として
提唱している。
- 全国市町村別「20〜39歳の女性」の将来人口推計という資料によると、三田市は2010年の若年女性人口13,645人、2040年の若年女性人口7,449人としている。20〜39歳の若年女性人口の減少率
が5割を超える全国で896の自治体が「消滅可能性都市」にあたるとしている。三田市はコレには入っていないが、減少率45.4%と非常にショッキングな数字となっている。
- 人口減少は死亡率増加、出生数減少という自然増減とともに、社会増減として人口いどうが大きくかかわっている。特に私が過去何度も質問で強調してきたが、三田で生まれた若い世代が、
一度、大学・専門学校への進学や最初の就職で三田市を出て行ったとしても、将来的に住む所として、結婚や子育ての時期に三田市を選ぶか、三田市に戻ってくるかということが非常に重要と考える。
- 以上を踏まえて「三田市のこの地方消滅という課題に対する認識と対応について」質問したい。最初に、三田市はこの地方消滅という課題についてどういう認識をもっているか。
- 2点目として、三田市ではかねてより「子育てするならぜったい三田」というスローガンのもと、子育て支援に注力してきたが、具体的な数値目標としてどういうものを設定しているのか。あらためてご説明をお願いしたい。
- 3点目として、市は三田で生まれ育った世代が大学・専門学校へ進学や最初の就職、結婚等の際にどれだけに三田市を離れていっているか。
具体的に継続的に把握しているか。また、これらの世代が最初の就職をした時、子育てをする将来的に結婚して世帯を構える時、あるいは、
子育てをする時期にどれだけ三田市に戻ってきているのか。把握しているか。具体的にご説明お願いしたい。
- 最後に、地方消滅という課題に関連して、地方創生法が先ほど国会において成立
した。地方創生法では、市町村の対して、地方版「総合戦略」の策定の努力義務を
課している。三田市ではこの地方創生法への対応を契機として、
これまでの取り組みや枠組みをさらに発展させ、三田市で生まれ育った若い世代
が戻ってきているかについての継続的な把握、呼び戻すための施策の検討・充実
など、より総合的な人口の自然減少、社会増減という課題に取り組んで
行く上で今後の方針について市の見解をお聞かせ願いたい。
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答弁:市長・企画財政部長
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- 三田市は20〜39歳の女性人口が30年後に半減する「消滅可能性都市」に
該当していないが、高齢化が継続して進んでいること、ニュータウン特有の
人口特性から将来急速な高齢化が到来することから、人口減少と少子高齢化
が複合して進む場合の影響の大きさについて以前から強く意識してきた。
・近隣阪神間各市の推計と比べると減少予想がより高位にあることに対して
は危機感をもって受け止め、人口を増やす又は減少を緩和するための取り組み
と人口が減少した環境下で持続可能なまちづくりといった両面から対策を
急ぎたいと考えている。
- 「子育てするならゼッタイ三田」に関しては、達成指標等は現在設定しておらず、
また、日本創生会議の提言のような「希望出生率」を三田市として設定することは
十分な検討を要すると考えるが、今後は「子育てするならゼッタイ三田」
のさらなる推進を図るため、達成目標を設けるなど取り組みをより強くアピール
する方法についても検討したい。
- 三田市で生まれ育った若い世代の人口移動については、
大学や専門学校等への進学、就職、結婚等による転居が発生しやすい年齢層として、
18歳から29歳の間を想定し、近年の市内外への転入数と転出数の差、
いわゆる社会増減を見ると合計数で毎年400人から600人の差引マイナスとなり、
この世代の転出が転入を大きく上回っている。22歳での過去2年間の社会増減
は転入が120〜130人であるのに対し、転出が300人を上回るなど突出して大きく、
大学の卒業・就職による三田を離れるケースが多い。
- 一度市外へ転出した若者が、その後どのような居住地をたどるかについては調査統計
等は持ち合わせておらず、網羅的な把握は難しいと思うが、結婚などの
ライフステージを迎えた時に、まず三田市のことを思い浮かべていただくことは
大変貴重なアドバンテージであると考える。近年30歳から39歳の子育て世代及び
乳幼児等の子供達の転入超過となっているのも事実であり、三田市に再び戻ってこられている
といったことも考えられる。
- 地方創生法に基づく取り組みについて、今般国会において法制化された「まち・ひと・しごと創生」
制度では、年内に「長期ビジョン」と当面5年間の「総合戦略」が示される
見通しであり、今後の市としては、この総合戦略に基づいて新たな
条件下で人口推計を行い、地方版「総合戦略」の策定について検討する。
- 「子育てするならゼッタイ三田」は理念として「まち・ひと・しごと創生」制度
と相通じるものであり、引き続き、「子育てするならゼッタイ三田」を継承、
充実を図るとともに、今後国において示される制度の詳細を十分に研究した上で
効果的な取り入れを図り、まちづくりの好循環を生み出したい。
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