視察レポート
宮城県庁、仙台市市民活動サポートセンターを訪問しました。
昨年の三重県庁に引き続き、この7月23日、24日に宮城県庁、および、仙台市市民活動サポートセンターでの勉強会に参加してまいりました。三重県、宮城県とも北川知事、浅野知事という改革志向の知事で有名な県ですが、本レポートでその勉強会の内容をご報告したいと存じます。

1.浅野史郎宮城県知事の講演
2.県政勉強会:
 透明性の高い行政評価を目指して-宮城県行政評価のしくみ-
3.仙台市市民活動サポートセンターについて



浅野史郎宮城県知事の講演

宮城県の浅野知事は非常にざっくばらんな人柄でした。以下では、「情報公開」と「NPOの推進」について熱く語られた浅野知事の講演内容をご紹介いたします。

厚生省の課長から宮城県知事に転進し、まずは、「情報公開」を積極的に進めていこうと考えていた矢先、仙台市市民オンブズマンから食糧費に関する住民監査請求、損害賠償訴訟が提出された。その後、内部調査を進めていくうちに、カラ出張や官官接待などの問題も明らかになりましたが、この背景には、知事として「包み隠さず真実を明らかにせよ」という県庁という組織に対しては異例の指示とこの調査にあたった県職員の涙ぐましい努力があったわけです。

過去の恥ずべきことを徹底的にさらけ出したところから再生の道を探り出した宮城県の経験を踏まえて言えば、「情報公開」はきれいごとではすまされず、宮城県でいちばん大きな意識改革は、「逃げない、隠さない、ごまかさない」ということがいえます。全国オンブズマンの評価で、宮城県の「情報公開」は日本一になりました。「情報公開」に関しては、国よりも地方自治体の方が先行しており、国は地方に積極的に学んだ方がいい。「情報公開」によって、政治と社会が変わる。権力のありようを変えることができる。「情報公開」が未来を開くのだと、私は信じています。

つぎに、「NPOの推進」ですが、NPOを民主主義の実践の学校と考えています。公益法人、NPO、ボランティア団体、その他市民団体との協力・支援の体制を整えることは、今後ますます重要になってくると考えています。

特に、NPOは、この国ではじめて民が主となって民主主義を実践するのだと、期待もし、応援もしたいと思っています。初めてということで学校だとも思っています。役所がやるんじゃない、本当の自治の実践が始まろうとしている。最初は何かと戸惑い、失敗もあるでしょうが、私はNPO団体の設立を歓迎し、育っていってほしいと願っています。

NPO法が施行れましたが、寄付等の税制面で不備があります。その不備な所を条例で補い、人材、活動/事業、情報面 でも支援していこうと考えています。この新たなパートナーシップが確率されたとき、魅力的で力強い宮城県が登場しているはずです。




県政勉強会:透明性の高い行政評価を目指して-宮城県行政評価のしくみ-

引き続いて、宮城県庁企画部長より宮城県における行政評価のしくみについての説明と質疑応答がありました。

宮城県では平成9年4月より、「新しい県政創造運動-宮城の行政改革」が始まり、現在まで行政改革の取組みが継続して行われています。県民満足度向上のための行政スタイルの確立、市町村や民間企業・団体等との新たなパートナーシップの確立、財政再建と成果 重視の行政システムの確立といった具体化方針を揚げ、

(1)県政サービス改革
(2)パートナーシップ改革
(3)事務事業システム改革
(4)人事・組織運営改革
(5)財政運営改革

という5つの改革が進められています。

行政評価の導入、改善、定着はこの(3)の事務事業システム改革の中核として位 置付けられていますが、県民参加型評価システムとして、「政策評価」、「施策評価」、「大規模事業評価」、「公共事業再評価」、「事情箇所評価」の5つの個別 評価が導入されています。また、これら評価制度の運営のため、平成13年4月に「宮城県行政評価要網」、さらに平成14年4月には全国の自治体として初めての「行政評価条例」が施行されています。

「行政評価条例」では、県民の満足度等の把握、県民意見の聴取、評価書の作成、公表、評価結果の反映、議会への報告等が定められており、平成13年度の終りに第1回県民満足度調査が実施されました。調査対象と回収数は、一般 県民4,000名(回収数2,257通)、市町村職員852名(回収数802通)、有識者200名(回収数88通 )であったとのことです。平成14年度には、さらに、これらの評価内容を企画や予算へ反映する仕組みが進められています。

宮城県と三田市では当然予算の規模や事業の内容が異なりますが、三田市においても今後限られた予算の優先順位を決定する何らかの仕組みが必要ではないかと市当局にも働きかけており、引き続いて勉強してまいりたいと考えています。


仙台市市民活動サポートセンターについて

最後に仙台市市民活動サポートセンターを訪問しました。この市民活動サポートセンターは、様々な分野の市民活動団体やNPO、ボランティアなど、非営利で公益的な活動をしている人たちや、これから活動しようと考えている人たちの拠点として、1993年以降行われてきた地道な取組みの成果 として、1999年6月にオープンした施設で、仙台駅から徒歩10分の位置にあります。

研修室、会議室、交流サロン、ロッカー施設、団体の簡易事務所として活用できる市民活動共同事務室、セミナーホール、情報サロン、印刷作業室、会員同士や団体相互の連絡に使われるレターケースなどの施設・整備があり、非常にうらやましい気がいたしました。

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